学級開き講座(高学年分科会)で、何の模擬授業をするか選んでいます。
資料は、6年生のときの考現学と学級通信なので、模擬授業は5年のものにしようと思います。(自分の教材研究もかねています。)
社会は、グラフの扱い方を授業します。
『小学社会5年上』(日本文教出版)で、最初に出てくるグラフは16ページです。
見て分かるように、初めてのグラフで、2枚のグラフが同時に出てきます。
表題が「新潟(上)と東京(下)の気温と降水量」で、出典が『2009年刊 理科年表』です。横軸は、1~12の月。縦軸は、2つあり、1つが降水量、もう1つが気温です。(地図帳で、新潟と東京の位置を確認させます。)
グラフが2つあって難しいのに、さらに縦軸が2つあります。教科書の最初に載せるグラフとしては、いかがなものかと思います。
それゆえ、教師の方で、ステップを踏んで、取り扱わないといけません。
まず、上のグラフだけを使います。
できれば、気温と降水量も分けるといいです。画像処理で何とかする方法もありますが、一番簡単なのはトレーシングペーパーで、写し取ることです。テストでは、色なしで出るのですから、写し取ったものを見せてもいいでしょう。
まずは、新潟の気温のグラフだけで、気付きを書かせ、列指名で発表させます。
「他にある人?」
と、列指名で出た意見以外がないかを確認します。
その次に、新潟の気温と降水量での気付きを書かせて、列指名。このときに、気温と降水量をからめた意見を言える子を大いにほめるのです。
「今出た意見の中で、とってもすばらしい意見がありました。誰のですか。」
このように全体に聞いてから、ほめる方が効果的です。
「気温が低いときに降水量が多い。」
この意見を大いにほめますし、この意見が出ないと次のグラフへは進めません。
さらに、もう一歩、突っ込みます。
「気温が低いときを別の言葉でいいかえます。漢字一文字です。ノートに書けた ら持ってきなさい。」
冬です。教科書に載ってます。
「冬に降水量が多いのは、なぜですか。その原因を教科書から探しなさい。」
教科書の本文や絵に書かれてます。
冬には、冷たい北西季節風が日本海をわたってふいてきます。このときに、水分をたくさんふくんだ風が本州の中央部にある山地にあたって、日本海側に多くの雪をふらせます。
グラフは結果、その原因については教科書に書かれているわけです。
結果のグラフを読み取り、その原因を教科書から探す。
これが、一つの授業パターンとなるわけです。
このあと、東京のグラフから気付きを書かせて、板書させます。そのときに、さきほどのまとめ方をできている子や、新潟と比べた意見を書けてる子を大いにほめます。
「夏は降水量が多い。」
「日本海側は冬が降水量が多く、太平洋側は夏が降水量が多い。」
上記のまとめができれば、ここの学習は完了といえるでしょう。
(2012.4.4)