演説に笑いは必要か?

 4月29日に米上下両院合同会議での安部首相の演説全文を読みました。
 随所にジョークがあります。アメリカではジョークを言うのは当然なのです。

 私個人とアメリカとの出会いは、カリフォルニアで過ごした学生時代にさかのぼります。家に住まわせてくれたのは、キャサリン・デル=フランシア夫人。寡婦でした。亡くした夫のことを、いつもこう言いました、「ゲイリー・クーパーより男前だったのよ」と。心から信じていたようです。
 ギャラリーに、私の妻、昭恵がいます。彼女が日ごろ、私のことをどう言っているのかはあえて聞かないことにします。

 ゲイリー・クーパーは、アメリカ映画の二枚目俳優です。

 焦土と化した日本に、子供たちの飲むミルク、身につけるセーターが、毎月毎月、米国の市民から届きました。ヤギも、2036頭、やってきました。

 ヤギの数を細かい数字で言っているところが、リアリティと笑いを誘います。 ホームページで調べてみると、ヤギ2036頭は事実のようです。乳牛は45頭だそうです。45頭より2036頭の方が効果的でしょうね。
 講座でも、挨拶でも、まずは聞いている人を笑わせると、そのあとの話がスッと入っていく感じがします。笑うことで、聞く人のバリアを薄くすることができるのでしょう。

(2015.5.31)