産経新聞2015.3.19朝刊の記事です。
かけっこの苦手な子供は
①スタートの姿勢が悪い ②腕が振れていない ③立っているときよりもお尻の位置が字面に近い
の3つの問題を抱えている。
要するに、この問題点を解決すればいいわけです。
まずは、スタートの姿勢。上半身は前傾し、足は前後に開く。腕は足と逆側を前にするのが正しい姿勢だ。苦手な子供は上体が垂直だったり、前に出す足と手が同じ側だったりする。
前に出す足は片足跳びしやすい方。前傾の角度の目安は「前に出す方の足だけ立って上体を前に倒していき、バランスが取れる限界程度の角度」。
腕と足を逆側にして前後するのは、西洋風の動きです。
柔道や空手などの武道や能や歌舞伎などの動きは、同側です。いわゆる日本古来のなんばの動きです。
まあ、武士や飛脚のような特別の立場だけが走り、一般民衆は走らなかったのが、明治以前の日本なのです。
それゆえ、体育で教えることはたいてい西洋の身体技術になってきます。
肘を自然に曲げて体の横で前後に振るのが正しい腕の振り方だ。肘を後ろに強く引くイメージで行うといい。スタートの合図と同時に、前に出している腕を後ろへ思い切り強く引く。苦手な子供は体の前側で左右に振る横振りになってしまっている場合が多い。
駅のホームで、腕を大きく振って歩く人は、走るのも速いのでしょう。でも、混んでいる場所では、やめてほしいものです。カサを持っている人が、大きく手を振ると、非常に恐いです。
走る姿勢でお尻の位置が低くなってしまうのは膝を曲げ過ぎた状態で走っているため。「体のバネを使えず、歩幅が小さくなり、次の1歩を出すのも遅くなる」と安藤さんは指摘する。体のバネを体感するため、足をそろえてジャンプで前へ進んでみよう。体が1本の棒になったつもりで行うと、バネの感覚を習得できる。
なわとびも足をそろえてジャンプするので、体のバネを体感するのにいいかもしれません。体のバネをうまく使える子は、走るのも速く、なわとびも上手なのでしょう。
記事の中に出てきた安藤さんは、かけっこ教室の指導者です。
教師も安藤さんのように体育で走ることを教えるのですから、速く走らせる指導の仕方を知っておくべきでしょう。
学校体育では、測定が手間なので、どうしても競走になってしまいます。速くなるコツを全員に教えると、速くなったことを実感できないかもしれませんね。
(2015.6.6)