「学力研の広場」の原稿で、特別支援のことを依頼されました。
1)現在の学校の特別支援の子に関する詳しいことは書けない。
2)特別支援の授業と、一斉授業は大きく違う。
3)特別支援の授業は、個別指導が中心。家庭教師のようなもの。
4)一対一であれば、一つのやり方を確実にさせることができる。
□×4=32 左の□を使った計算であれば、①=を縦にそろえる。
□ =32÷4 ②□を縦にそろえる。③一行置きに式を書く。の3つを
□ =8 その子に徹底させることができます。
最初は、=や□の場所を指で示して、そこに書かせていきます。
やがて、指で示さないようにして、見守り、ちがう場所に書こうとした瞬間、「そこじゃない」と指摘して、正しい場所に書かせます。間違えた場所に書いた場合は、私がサッと消しゴムで消して、正しい場所に書きなおさせます。
これが一斉授業では、難しいのです。
隣りの子と確認させたり、机間巡視したり、ノートを持ってこさせたりしても、数人は抜け落ちることが多いのです。
□の計算では、×4が移動したら変身して÷4になることを教えています。
+なら-に、÷なら×に、-なら+に変身する。これが分りやすいのです。
(2015.9.15)
特別支援と一斉授業との違いが明確になることで、より一斉授業が理解できていくのです。
5)その子のできなさを理解しながら授業を進めていく。
6)iPadを使った学習指導がしやすい。
7)やるべき課題が終わった後に自由を与えやすい。
特別支援の授業に、iPadは欠かせないものとなっていくでしょう。
様々な学習アプリがあり、その子の実態に合わせたものを使わせていくことができるからです。
例えば、1年生のある算数の「いくつあるかな」であれば、リンゴや鳥を指でタップしていくと、「1、2、3…」と数字をアプリが読み上げてくれます。
3年の分数であれば、カップの絵に、蛇口をひねって水を入れていくのもあったりします。
お金をとるだけあって、アプリも工夫されたものが多いのです。
これが、一斉授業であれば、全員に提示し、1人か2人にさわらせるぐらいしかできません。全員にさわらせようものなら、それだけで時間がかかってしまいます。
特別支援の授業でなら、1人が十分にさわることができるのです。
(2015.9.16)
だいたいは国語と算数での抜き出しがほとんどです。
8)教室でほめられることは少ないので、ほめる機会を増やす。
9)特別支援学級だからこそ、自分を素直に出せる場合が多い。
発達に遅れがあるために、教室での評価はどうしても低くなります。
それゆえに、特別支援学級に来たときは、できることをほめられる場を増やすべきなのです。
国語や算数で抜き出しているからといって、学習だけで終わっては、その子の思いを満たすことができません。ちょっとした世間話をしたりして、その子の今に寄り添ってあげることが大事なのです。(最初、その視点が抜けていて、学習することに重きを置きすぎていました。)
10)特別支援学級の教室にあるものを有効に使う。
今の学校では、特別支援学級の教室が3つあります。
私の使っている教室は、絨毯敷きであり、パーテーションをあけると、柔らかいすべり台やバスケットのゴールポスト、3輪車や動物や恐竜のミニチュアがあったりします。
特別支援の子は、運動機能も遅れているので、教室内でボールの投げ合いをしたり、バスケのシュート対決をするのも、大切な行為なのです。
(2015.9.17)