『サンデー毎日7.26号』(毎日新聞社)に椎名誠さんの連載があります。
『ジャパンクラス』(東邦出版)といういわゆるムック形式の本の口絵ページに「ニッポンの日常風景」という写真があり、どちらも写真としてはヘンテツもないが外国人の解釈、感想が意表をつく。
たとえばどかのビルの入り口風景だが、歩道にむけて幅五メートルぐらいの距離で工事現場などでよく見る赤いトンガリコーンがふたつおかれ、それに黄色いプラスチックのチェーンがくくりつけられている。要するに「立ち入り禁止」というシルシだ。
このプラスチックチェーンを日本人が跨がないことに、外国人が驚いてます。
「みんなこのプラスチックチェーンが怖くてしかたないんだ」(アメリカ他)「このプラスチックチェーンにはすごいパワーがあるんだ」(ハンガリー)「治安を維持するには人々に社会の絆を理解させるのが必要なんだね」(ポルトガル)「魔法のようなプラスチックチェーンじゃなく魔法のような日本だ」(ポーランド)等々。
プラスチックチェーンではなく、プラスチックのコーンバーを学校の子どもたちが2つ折ったことが、昨日、報告されていました。うまく弾ませると、このコーンバーが高く舞い上がるのを知って遊び、それで折ってしまったようです。
海外が驚く日本人の美徳が、失われつつあるのかもしれません。
(2015.10.7)