上手に怒るために

『PRESIDENT2015.8.3』掲載の精神科医・片田珠美「職場の心理学 上司部下の改善計画!上手に怒る練習」によると、自分の中の怒りを自覚し、分析することが必要だそうです。

怒りの原因は以下の三つに分類できます。
 ①自尊心の傷つき
 ②自分の利益の侵害
 ③わかりあえなさ

 今の学校での子どもたちに対する怒りは、③のわかりあえなさが近いかなと思いました。正しさが通じない。理不尽という思いが大きいです。
 でもよく考えると、教師として何もできないことによる①自尊心の傷つきによって、怒りが生じているのかもしれません。

 怒りを分析したら、いよいよ怒りの表明です。ここで大前提となるのは、自分のメリットになるよう表明すること。怒りを伝えても状況が変わりそうにないとか、放っておけば時間が解決してくれるという場合は、怒りを表明しないという選択肢もあります。怒りを抑え込むのと同じように思われるかもしれませんが、自分の意思で選択したのか、漫然と封印したのかではまるで意味合いが違うのです。

 怒りを漫然と封印すると、身体に不具合が出る可能性があるそうです。
 右の「怒りの天秤」が分かりやすいです。
 感じた怒りを表明して、すっきりすることは「快感原則」に基づくものです。
 すぐに怒る(キレる)人は、そうすることで、快感を得ているといってもいいでしょう。
 快感原則と現実原則(現実との適合を図ろうとする心理状態)のバランスをうまくとることが、大切なんだそうです。
 具体的な場面で、自分の怒りを自覚し分析し、現実との適合を考えて、小出しに怒りを表明する方法を見つける必要がありそうです。 怒ってはいけないわけではないのです。うまく怒る方法を探っていくべきなのです。

(2015.10.11)