平行四辺形での失敗2

 板書された子どもの気付きは、以下の通りです。

・平行な線は何本引いても角はいつも90°(真鍋)
・よこもたても同じ長さ。(堺)
・平行にナナメの平行を書くと四角形ができた。(喜屋田)
・もともとは1枚の紙だったのに三角じょうぎやものさしでできました。(濱家)
・すべての角が90°(馬越)
・よことよこたてとたての長さは、等しい。(上田)
・何かいおっても、四角形(山城)
・このやつは直角がある。(上土谷)
・むかい側の辺の長さは等しい(金谷)
・全部90℃だった(西野)
・辺がぜんぶ直角(高子)
・たての辺の長さが等しい。(脇坂)

 真鍋さんの「平行な線は何本引いても角はいつも90°」を言わせた後、学級全体に次のように問い返しました。
「角が90°になっている人、その四角形を上にあげて。」
「角が90°になってない人、上にあげて。」
 角が90°になっていない四角形もできる、ということを確認させたのです。
堺さんの「よこもたても同じ長さ。」も同じように扱います。
 正方形になっている子は同じですが、長方形になっている子は、よことたてが同じになりません。
 ここで一つの方向が見えてきます。

 学級全員の四角形に当てはまる条件は何か。

 学級全員の四角形に当てはまる条件になっているのは、2人です。
 上田くんの「よことよこたてとたての長さは、等しい。」と、金谷さんの「むかい側の辺の長さは等しい」です。
 上田くんは、日頃から注意されることの多い子ですが、全員の四角形に当てはまる条件だったので、ちょっとしたヒーローになったのです。
 このあと、平行四辺形になっていた2人の図形を取り上げ、向かい合った辺が平行である四角形を平行四辺形ということを教えました。長方形や正方形は、平行四辺形の中の特別な形であることも教えました。(導入ですから、このことを教える必要はなかったのですが、授業の流れとしては仕方がありません。)
 教科書では、2本のテープを斜めに重ねることで平行四辺形を作らせていましたが、やはりそれがいい方法だったわけです。

(2006.6.2)