どこから来てどこへ行くのか

 池上彰『おとなの教養~私たちはどこから来て、どこへ行くのか?』(2014.6NHK出版)の副題が面白いです。

 私たちは、どこから来たのか。偶然の積み重ねが人類を生み出し、文明の競争でネアンデルタール人に打ち勝ち、さまざまな疾病にも勝ち抜いた人びと。その子孫が、私たちなのです。

 現代人必須のリベラルアーツ(現代の教養)として、7つの項目を池上氏は書かれています。①宗教 ②宇宙 ③人類の旅路 ④人間と病気 ⑤経済学 ⑥歴史 ⑦日本と日本人 の7つです。
 この7つの項目の順番が人類の歴史の流れにも似ています。
 古代、自然の驚異の中で生きていた人たちが、超自然的な存在を求めるところから宗教が生まれ、太陽や月や星を眺める中で宇宙の摂理に気付き、病気に打ち勝ち、より高い知見を持った人類が生き残ってきたのです。

 改めて問います。私たちは、どこへ行こうとしているのか。その進路を決めるのは、私たちなのです。

 過去の歴史から学べるのが人です。文字を生み出し、さらに今では、音声や映像を記録し残すこともできます。失敗から学ぶことができる限り、人類はこれからも生き残っていけるのでしょう。

(2016.1.12)