消耗品以外の製品は、壊れるようにつくっていると、いいます。
壊れないで永遠に使えるようであれば、それが世の中に行き渡ってしまうと、誰も買う人がいなくて、製造している会社がつぶれるからです。
でも、植松電機のリサイクル用マグネットは、壊れないようにつくっています。
なぜでしょうか。
一番の理由は、壊れた場合、北海道から修理に出向かないといけないからです。
壊れた場合、たいてい文句を言われ、結局、無料で修理しないといけません。
さて、壊れないリサイクル用マグネットをつくった植松電機の利益は下がったでしょうか。いえ、逆にあがっていったのです。
壊れないようなリサイクル用マグネットをつくる同業者がいないため、買い手は植松電機に集まってきます。植松電機は、価格交渉に応じず、値下げをしないことにしました。なるべく売らないように努力したのです。
それでも、買い手は、壊れるものより壊れないものの方を割高になっても求めようとします。そのため、植松電機の利益は順調に伸びていったわけです。
同業者が真似できないいいものをつくれば、利益はついてくるのです。
要は、より工夫した方がいいということです。その工夫も他者が真似できないぐらいの工夫ならば、周りに競合相手はいなくなるわけです。
(2016.2.19)