『PRESIDENT2016.1.18』で、茂木健一郎氏が「世界一の発想法」を連載されています。その109回目のタイトルが「誰も見ていないときの努力はなぜ貴いのか」です。
最初に、雅楽の紹介をしています。
驚いたのが、雅楽の演奏の持つ意味である。雅楽は、神さまにお聴かせる音楽なので、聴衆の存在を前提としていないのだという。
「だいたい、夕方六時くらいから始めて、午前〇時くらいまで、音楽を奏でたり、舞ったり、歌ったりするのです」
その間、楽部の方以外はいないそうです。
考えてみれば、どんな仕事でも、人目に触れる時間よりも、それまでの準備の時間のほうが長い。その間の精励ぶりは、誰が見るわけでも、褒めてくれるわけでもない。
パン職人さんだったら、パン生地をこね、オーブンで焼くその時間は大切だが、誰かが見ているわけではない。小説家が文章を紡いでいる時間も、孤独である。アスリートが脚光を浴びるのはほんの僅かな時間で、そのために、延々と続く練習がある。
見えない部分での努力を推し量れるようになりたいものです。
(2016.2.23)