開成中学校・高等学校校長の柳沢幸雄氏が、お金について、次のように語っています。(『プレジデントFamily2016冬号』より)
「お金には三つのいい面がある。一つ目は、使うときの喜び。二つ目は、増えるときの安心感。三つ目は、(お金を)得ることで手にできる自由」
教育の目的は、学業の成就はもちろんですが、最終的なゴールの一つは、「子供が自分で稼ぎ、生きていけるようになること」です。
最近の世の中を見ていると、お金のいい3つの面が活かされてないように思えます。
まず、消費中心の社会となり、使うときの喜びは、ネットやCMなどで、最大にアピールされています。そのアピールが過度になり、逆に、使えないときの苦しみが増大しているようにみえます。
さらに、少子高齢化社会・職業形態の変化などで、少しぐらい貯蓄が増えても安心感を持てないようにもなってきています。
消費の過度な欲求と将来の不安から、お金を得るために、自分の生活の自由を売りとばして、お金をかせぐわけです。
稼いだお金は、消費と貯蓄で使われ、自分の自由のために使う発想がなくなっているのです。悪循環の社会になっているとしか思えないわけです。
(2016.3.3)