ラベリングで客観的に

 草薙龍瞬『反応しない練習』(2015.7角川)に、ラベリングの方法があります。

「言葉で確認する」ことを、仏教の世界では「ラベリング」(ラベル貼り)と呼ぶことがあります。心の状態をぺたりと「名前」を貼って、客観的に理解してしまうのです。
 このラベリングを、日常の動作にも、同じようにやってください。掃除をしているときには、「わたしは今、掃除をしている」。食器を洗っているときは、「食器を洗っている」。歩いているときは「今、歩いている」。パソコンで作業しているときは「作業している」と、ありのままの言葉で確認します。

 なぜ、ラベリングをするのでしょうか。
 このラベリングをすると、反応から抜け出せ、心が落ち着くそうです。
 自分のしていることや思っていることを言葉で確認する作業は、日記に似ています。となれば、日記を書くことは、反応から抜け出し、心を落ち着けさせる作用があるということです。
 相手の悪口を言われたから、カッとなって、相手をたたくという行為は、悪口に反応しているだけともいえます。相手の言葉を確認し、それに対して、自分がどう感じたかを言語化することで、反応から抜け出し、冷静に対処できるようになるわけです。

(2016.3.8)