法人とは何か

 今まで、法人株式会社とか法人NPOとかの「法人」の意味をあまり考えてきませんでした。

これは人でないものを「法律上、人として扱う」という意味です。
 私たち人間は自転車や自動車、マイホームを持てますが、株式会社というのは人の集団ですから、土地や建物を保有することが本来できません。でも、もし会社の社長名義にすると、会社の社長が死んだら家族が相続してしまいます。会社としての永続性が損なわれます。(池上彰『この社会で戦う君に「知の世界地図」をあげよう』(2012.11文藝春秋)より)

 さらに、社長名義が亡くなれば、その財産には相続税もかかり、どんどん目減りしていきます。昔の農家や貴族が、長男だけに相続させたのも、土地や財産を目減りさせないためだったはずです。
 会社であれば、会社が倒産するまで、その資産・財産には、相続税がかかったりしません。(もちろん、法人税や固定資産税はあるでしょうが。)
 ボランティアのNPOが法人化するのも、そういう意味があるのでしょう。
 法律上、人として扱うものを法人というのと似ているかどうか分かりませんが、擬人法があります。これは、物語で動物や物を人ではないけど、物語上、人として扱うことです。そうすることで、人の生きざまを間接的に伝えることができるわけです。

(2016.3.16)