岡田斗司夫『カリスマ論』(2015.11ベストセラーズ)より続けて。
ネットも武器です。
役に立つ情報を集めたり、面白いコンテンツを楽しんだりするだけでなく、人を傷つけることもできます。メールやソーシャルメディアで嫌がらせしたり、匿名で他人の中傷を書き込むことだってできるのがネットです。
ネットは便利だけれど、それは人を傷つけたり、社会をかき回したりする武器ともなるわけです。お小遣いと同じで、子どもにネットを使わせるなら、武器を与えてることを親は自覚しないといけないわけです。
アメリカでは、銃による犯罪がやみません。
アメリカでは、18才以上は銃を所持できます。(細かい規制はあります。)
「銃の所持に賛成ですか、反対ですか。」
と子どもに問えば、お小遣いと逆で、反対を選ぶ子が多いでしょう。
ただ、これは賛成の意見も出るでしょう。
「銃を持ってないと、自分を守れない。」
何しろ、アメリカは銃社会なのですから。
もし、銃の所持を禁止にするならば、今まで所持している銃も全て取り上げないといけなくなります。(昔でいう刀狩です。)
民主主義の世の中では、強制的に取り上げるのは難しく、政府が銃を買い取るという形になります。莫大な費用がかかってしまうでしょう。
銃を所持していることを隠す人もいるでしょう。
マフィアや犯罪者が、簡単に銃を手放すとは思えません。
悪い奴らが銃を持っていて、自分たちは丸腰であれば、それは恐怖でしょう。
日本とちがって、アメリカは広いですから、隣近所と家が遠く離れている場合が多いです。銃を持った強盗に襲われて悲鳴をあげても、誰も助けには来てくれない可能性が高いのです。
そんなことを考えてみると、銃所持禁止は、難しいだろうなと推察できます。
銃を手放せないアメリカでは銃を使った犯罪・テロが、ネットを手放せない日本ではネットを使った犯罪・テロが、起きやすくなります。
アメリカでは、政治的な主張があったり、ちょっと頭のおかしい人は、すぐに銃を手に入れて乱射事件を起こします。日本でも、頭がおかしくなったり、思い詰めて粘着質になった人は、ネットで大きなトラブルを起こします。
銃規制以上に、ネット規制は難しいでしょう。
銃は使えば、誰が使ったかはたいてい分かります。一方、ネットでの発信は、誰がしたか特定できないことも多いです。しかも、スマホが普及し、大多数の人(子どもを含め)が、気軽に発信(銃でいえば乱射)できるようになっています。
ネットからの身の守り方を教えていく必要がありそうです。
(2016.4.13)