何をすべきかの判断をゆだねない

『Associe2016.07』の連載「弘兼憲史の書きかけ履歴書」のテーマは、「働くうえで最も役立つ「学び」とは?」です。

 何歳になっても、人は学び続けないと成長できません。学生時代は授業や試験があり、学ばざるを得ない環境でした。しかし、社会人になると、目の前の仕事をこなすことで時間がなくなり、「学び」がおろそかになりがちに…。自己啓発書を読み漁り、何となく学んだ気になっている人もいる。「知識」を得ることを、「学び」だと捉えている人もいます。
 私は、ビジネスパーソンが学んで得るべきものとは、「次に何をすべきか判断する基準を、自分の中で培うこと」だと思っています。その判断力を養うには、思考力が必要になります。

 目の前の仕事をこなすことは、仕事をする上で大切なことです。(それで給料をいただいているのですから。)問題なのは「学び」がおろそかになることです。
 私たちが何もしなくても、仕事は増えていきます。英語や道徳が教科化されたり、アクティブラーニングというものが下りてきたり。
 次に何をすべきかの判断をお上に伺っているばかりでは、自分の目指すべき教育のあり方を持てなくなってしまいます。
 自分から何かを生み出すための学びが必要なのです。

(2016.6.25)