6年の道徳で「命のバトン」の授業をしました。
原実践は『命の授業-道徳授業の改革をめざして』(明治図書)です。
【命のバトン(1) 授業展開】
① A4を切った紙(いびつな文字が書かれたもの)を配布する。
② 書かれた文字を見て、気がついたこと・分かったこと・思ったことを書かせて発表させる。
③ その文字を書いた人が何才であるか予想させる。(正解:51才の男性)
④ 何に乗りながら書いた字か予想させる。(正解:墜落する飛行機の中)
⑤ 日航機墜落事故の新聞記事を紹介する。
⑥ 遺書の全文を読む。
⑦ 遺書に対する感想を書かせて発表させる。
⑧ 命のバトンという詩を音読させる。
⑨ 何を言いたいか詩か考えさせ、発表させる。
⑩ 『心のノート』のP.64~67を読ませ、書き込めるところを書き込ませる。
②の気付きで、次のものが板書されました。
・じがきたない。(三宅) ・字がわからない。(乾)
・つなげ字(藤本) ・どうか神様たすけて下さいと書いてある。(阿河)
・四つに分かれている。(浮島) ・神様に何かたのんでる。(荒田)
・ママを助けてくださいと書いてある(小西) ・ちょっとだけよめる(宮田)
・カタカナがある(中野) ・遺書らしい(田中)
・どうやら日本語?(舩倉) ・パパ、ママと書いてある。(早川)
「きのうみんなと…」「今日したのは…」みたいなのがかいている。(石田)
・漢字がつかわれているけどよめない(中) ・漢字らしきものがある(奥原)
・だれかにわたす手紙のようなきがする。(上田)
発表させる前に、書いた人の年齢を予想させました。発表を聴いたあとで、その予想がどう変わるか見てみたかったのです。
最終的な予想では、0~5才、5~10才、10~20才が多く、あとはパラパラでした。50才以上を予想したのは3人だけでした。
⑦の遺書に対する感想を列指名で発表させました。
小林「飛行機が急降下中なのに、よく書けたと思った。」
藤本「ついらくしている間にこんなに書いてすごいと思った。」
石田「ぼくは今まで何度も飛行機にのったことはあるがこんなことはなかった。ぼくがこの中にいたらパニックじょうたいだったと思う。
本当にかわいそうだ。」
糸井「すごい。家族のことを思ってる人だったと思う。」
荒田「河口さんもかわいそうだけど河口さんの家族もかわいそう。」
浮島「自分が危険なのに家族のことを思って感謝しているのがかわいそう。」
銭谷「遺書を書いている時河口さんは自分が死ぬことをじかくしていると思うし、家ぞくのことを思っている。」
桂「聞くのがつらかった。すごくかわいそう。」
小西「子どもとあえなくなるからかわいそう。」
⑨「命のバトン」の詩が言いたいことでは、次の考えが出されました。
・命の大切さ(田中・小林・荒田・三宅・小西・神谷・藤本・上田)
・いま、自分がいきているとゆうこと(宮田)
・命のバトンを受けついでいること(山本) ・命をたいせつに(中)
・命を大切にしようとゆっている詩(糸井)
・『みんな命を受けついでいる』と言いたい。(石丸)
・命のバトンを受けついで、今自分が生きていること。(舩倉)
・今をせいいっぱ生きろ(奥原) ・命は大事(乾)
・命を受けついでほしい(高島) ・いのち?(早川)
・今までうけついできた命をかんたんにすててはいけない(石田)
・命はみんなの命(浮島) ・命はすごく多いこと(古川)
・自殺などをしてはいけない。(阿河)
「命」と「受けつぐ」ということをおさえておくべき、という話をしました。
自分たちが生きていること、それが当たり前ではなく、多くの命を受けついで生きていることに気付いてほしかったのです。
(2007.6.13)