走るのは好きではない

 有森裕子『やめたくなったら、こう考える』(2012.7PHP)より引用します。

「わたしは好きだから走っていたわけではありません」

 上記の本の最初の一文です。この一文を使って授業できそうだと思いました。

 何かをやりはじめたら、やりつづけるのが当たり前。その何かが「好きだから」、あるいは「嫌いだから」という理由で、途中でやめられるとわたしは思っていません。「やりはじめたことを途中でやめてしまう」という感覚を、もっていなかったんですね。

「やり続けるのが当たり前」だと思えるかどうかです。
 何かを始めたら、多少の困難があっても、やり続けることができる。
 これが、やり続ける力なのでしょう。
 有森さんは、就実高校に進学しました。

 入学早々、さっそく陸上部に入ろうと、監督の狩屋先生にお願いに行った。
「素人の入るようなところじゃない!」
 なんと、あっけなく門前払い。話すら聞いてもらえず、まったく取り合ってもらえない状態で、すぐにでも入部できると思い込んでいたわたしは、驚きと同時にかなりのショックを受けました。

 有森さんは何度もお願いに行き、2か月後にようやく入部をゆるされたのです。

(2016.7.1)