アンジェラ・リー・ダックワースさんがTEDで講演した映像があります。
その中から、授業中に使うところを引用します。
27歳のとき、私は経営コンサルのとてもきつい仕事を辞めて、もっときつい仕事につきました。教師です。
ニューヨークの公立中学校で、1年生に数学を教えました。
先生らしく小テストや試験を作って、宿題を出しました。答案が戻ってくれば成績をつけました。
衝撃を受けたのはIQだけが、優等生と劣等生の違いではないということです。
成績がとてもよかった生徒でも、それほど高いIQではない子もいたのです。
頭がすごくよくても成績の良くない子もいました。
アンジェラさんは、それがなぜなのかを調べたくて、教師を辞め、大学院に行き、心理学者になりました。そして、研究しました。
1)ウエストポイント陸軍士官学校
…どの士官候補生が陸軍訓練に残り、誰が中退するのか?
2)全国スペリング・コンテスト…どの子どもが競争でより勝ち残るのか?
3)教育困難な地区の学校…どの新米教師が学年が終わるまで教えるのを続け、誰が生徒の学習成果をあげるのに最も成功するのか?
4)民間企業…どの販売員が仕事を続け、誰が一番お金を稼ぐのか?
上記の調査・研究の結果を次のように、アンジェラさんは語ります。
こうした様々な状況において、ある一つの特徴が大きく成功を左右していました。
それは、社会的知性ではありません。
ルックスでも、身体的健康でも、IQでもありませんでした。
やり抜く力です。
やり抜く力とは、超長期目標に向けた情熱や忍耐力で、スタミナがあることでもあります。
やり抜く力は、明けても暮れても自らの将来にこだわることです。
その週だけとか、その月だけではなく、何年もの間、一生懸命に取り組み、その夢を実現することです。
やり抜く力は、短距離走ではなく、マラソンを走るように生きることです。
アンジェラさんは、高校2年生数千人にグリットテスト(やり抜く力に関するアンケート)をしました。
1年後、誰が卒業するかを見ると、やり抜く力が高い方がより卒業にたどり着いていたそうです。
まあ、当然といえば、当然といえるでしょう。
ただ、当然ではあるけれど、それを研究し確かめていることが大切です。
やり抜く力を高める方法をわたしたち教師は模索すべきなのでしょう。
(2016.7.3)