有森裕子『やめたくなったら、こう考える』(2012.7PHP)の「おわりに」のサブタイトルは「根を張る時間があるから大木は倒れない」です。
種を蒔いてから、どんな木になってもいいように、地下にしっかりと根を張る。わたしという木は、上に伸びる力が弱く、芽が出るのが人よりもかなり遅かった。そのあいだいに、地下にたくさん根を張っていたのでしょう。
上に伸びる力を才能とかIQの高さとかいってもいいのかもしれません。
IQが高かったり、才能がある人は、若い頃から人より抜きんでてすぐれたことができたりします。
しかし、上に伸びるだけで、根を張ることを忘れると、やがてIQの高さや才能だけでは、自分の実績を支えられなくなるのです。
才能と成功が反比例するのは、そういうことではないか、と思うのです。
努力のつぼと同じで、才能のある人は、少しの努力で成果を出す(つぼの水があふれる)。それに対して、才能の乏しい人は、多くの努力のはてにやっと成果を出す。才能の乏しい人の方が、努力の量がおおく、根を張る広さが広いのです。
そして、才能があって、努力し続けられる人が、歴史に名を残すようなことを成し遂げるのでしょう。
才能が乏しくて努力しなければいけないことに、感謝すべきかもしれません。
(2016.7.11)