『AERA2016.10.31』の「プログラミング思考で会議も変わる」という記事が面白かったです。プログラマーの鳥井雪さんは、次のように書いています。
こういった「プログラミングから得られる考え方」は、実生活の問題解決にも生かすことができます。「家事の分担を巡って、夫といつもケンカになる」というトラブルも、解決のヒントはありますよ。
まず必要なのは、家事の「構成要素」を切り出すことです。何か解決したい問題があったとき、それを構成要素に分解する作業は、実際のプログラミングでも重要なステップです。「明確な指示を順序よく」出すためには、やるべきことの全体像が見えていなければなりません。コンピューターはあいまいな指示では正しく動きませんから。
鈴木健二氏が教科書を「構成要素」に分けることと通じていそうです。
鳥井さんは、家事に含まれる「見えない作業」を全部書き出しリストにすることで、夫婦のどちらがどれほど家事を分担しているかを割り出したそうです。
『最強シンプル思考術』という本も書かれている吉田塁さんは、時間ばかりが長くなる会議を効率化するための案を書かれています。
プログラムを設計するときの考え方を応用した思考術として「モデルベース思考」があります。モデルベース思考の基本は、物事の関係性を整理して、四角と線で表すこと。つまり「無駄を省いて物事をシンプルに考える」ことです。
会議の時間が長くて困っているのなら、まずは「よい会議」のモデルを作ってみましょう。会議には、「目的」「議題」「議論」「重要度」「参加者」そして「かかる時間」などの要素があります。
要素を洗い出したら、それぞれの関係性を明らかにしていきます。例えば「議題」と「参加者」は互いに対応している必要があります。その議論に必要のない人が参加していたら、それは無駄です。議題の「重要度」と議論に「かけるべき時間」も、本来は比例しているべきです。些末な議題に長々と時間をかけるべきではありませんよね。
職員会議でも他の会議でも、些末なことなに時間をかけすぎて、大事な案件に充分な時間をかけられずに終わることがあります。
会議を仕切る人は、議題の重要度を見極め、低いものはサッと扱い、高いものはしっかりと論議できるよう組み立てていく必要があるのです。
これは、授業も同じことです。
授業の中で、一番教えるべき大事なところに時間をかけ、全員ができていることを確認し、教える重要度の低いものをサッと扱う必要があるのです。
鈴木先生が教科書を構成要素に分解させるのは、どの構成要素が重要であるかを見極めるためもあるのでしょう。
プログラミング思考を活かした授業づくりを考えてみます。
(2016.10.26)