バリアバリューという考え

 垣内俊哉『バリアバリュー~障害を価値に変える~』(2016.3新潮社)のバリアバリューという言葉が、面白いです。
 ボランティア教育で、バリアフリー(障害を取り除く)の環境づくりがよく取り上げられます。
 作者の垣内氏は、骨形成不全症です。転べばすぐに骨折し、小学5年生の頃から車いす生活となりました。
 それゆえ、自分の障害(バリア)を強く意識し、その障害を取り除くのではなく、価値に変えることはできないかと考えたのです。

 私たちは何かしらバリアを感じた時、「自分の方が環境に合わせなければいけない」と考える。そうではなく「自分に合った環境はないか」「環境を自分に合わせられないか」という方向からも、物事を眺めてみてはどうだろうか。

 バリアは、垣内さんのような障害だけでなく、自分の弱点や苦手なこともバリアだと考えられます。
 垣内さんは、年に120回ぐらい講演をするそうですが、人見知りで、話すの苦手で、細かいことのが気になる小心者だそうです。
 でもだからこそ、講演に向けて、事前の準備を怠らず、ただの準備ではなく、「最高の準備」をするそうです。(私と似ているような気がします。)

(2016.10.29)