榎本博明『一流は知っている? ネガティブ思考力』(2016.5幻冬舎)より。
ポジティブになることがよく推奨されているが、何をするにも不安や緊張感が乏しく、ひととおり準備をして「これで大丈夫」と思う人は、準備不足に陥りやすい。
一方、不安や緊張感が強く、「これで大丈夫か?」「ほんとうにこれでいいのか?」「何か足りないことはないだろうか?」としつこく自分自身に問いかける人の方が、十分な準備ができ、結果的に良い仕事ができる。
「これで大丈夫か?」と不安になるから、いろいろ調べないと気が済まなくなる。いくら調べても、どんなに準備をしても、まだまだ足りない点があるような気がして落ち着かない。安心できない。そうした心理状態が、仕事の質を高めることにつながる。そのように必死になることが能力開発にもつながる。
ここ十数年、ポジティブ思考がもてはやされていました。
それゆえに、ふりこと同じで、ポジティブと逆に、ネガティブに振れた主張が出てくるのでしょう。どちらかというと、ネガティブ思考の私には、榎本氏の主張の方がしっくり来ます。
ところで、この本を著者は、『ほめると子どもはダメになる』(2015.12新潮社) を書いた人と同じでした。他の人で同じ主張をしている人も見つける必要がありそうです。
(2016.10.31)