緊急事態に考えるべきこと

 ジョン・リーズ『何があっても打たれ強い自分をつくる 逆境力の秘密50』(2016.10CCCメディアハウス)のパイロットの話が面白いです。

 航空機のパイロットの訓練生は、緊急事態の時、何が機能しなくなったのかではなく、まだ機能しているシステムをすばやく把握し、どれを使えば安全に着陸できるかを判断するように教えられる。
 過去(すでに起こったこと)から将来(次に起こり得ること)へ迅速に意識を切り替え、事態を分析したり自分を責めたりしている場合ではない、という事実を叩き込まれるのである。

 パイロットの場合、緊急事態は自分だけでなく、乗客全員の命に関わる問題です。起こった出来事にパニックになっていては、適切な対処ができません。
 それに比べて、教師が遭遇する授業中のトラブルは対したことではないのですが、それでもどう対処するかで、その時間の授業の進み具合や子どもたちの教師への信頼度を左右するかもしれません。
 例えば、PowerPointで授業をしていたときに、急に、フリーズしたり、プロジェクターが消えてしまったりすることも、時にはあるでしょう。
 そんなときに、「なんでこんなことが今起きるんだ」と嘆いても何も解決しません。今、何ならできるか、そのことを試していくしかないのです。

(2016.12.22)