竹田恒泰『日本人が一生使える勉強法』(2014.9PHP)に、プラス思考よりマイナス思考の方が大切だと書かれています。
「プラス思考こそ素晴らしい」と言う人が陥りがちなのは、「最悪のケースを想定しない」ということ。物事がすべてうまくいけばよいのですが、そもそも目標とはなかなか叶わないものである以上、そんなことは滅多にありません。そこで何もシミュレーションせずに突っ込んで、問題が起きたときにあたふたする。そうしたリスクを考えれば、最悪を想定して事に臨んだほうがよいに決まっています。潜在的なトラブルの芽に目をつぶって、出たとこ勝負のプラス思考を推奨する人は無責任とすら言えるでしょう。マイナス思考を経ないプラス思考はただの博打で、保険のないクルマを運転するようなものです。
プラス思考が推奨されたのは、最悪のケースを想定しすぎて、一歩も前に進めない人がいるからではないでしょうか。マイナス思考でありながらも、やるだけやって、あとは天に任せるぐらいのつもりで挑戦できればいいのです。
むしろ、プラス思考とかマイナス思考とかいう言葉に、振り回される必要はないのかもしれません。物事はやってみなければ、うまくいくか問題が起きるかは分かりません。ただ、事前の準備をしっかりすれば、うまくいく可能性を高めることができる。それだけなのかもしれません。
(2016.12.26)