健全な自立への道へ

 アドラー心理学の研究者・岸見一郎氏が『サンデー毎日2017.1.8-15』で、次のように語っています。

 親の過干渉は、子供に自分にはその課題を果たすだけの力がないと思わせることにもつながります。その子が無力感を持つと、親への依存が高まるか、反抗的な態度を取るか。どちらにしても、健全な自立への道から遠ざかってしまいます。で、結果、人との付き合いが臆病になる。アドラーは自分を愛するという表現は使いませんが、「自分に価値を見いだせた人は、自分を好きになれる。そして、そのことで勇気が持てる」と言っています。そうすれば、対人関係の荒波に飛び込んでいける。対人関係は悩みの源泉ではあるけれど、一方、生きる喜びや幸せの源でもありますからね。

 無力感は自立への道を阻害するわけです。
 授業の中で、個を鍛え、一人一人の子が有力感を抱き自信を持つことで、集団の中で反対意見を言い合うための勇気(嫌われる勇気)を子どもたちが持てるようになるわけです。
 現在はどうであれ、子どもたちが将来、対人関係の荒波にあうことは分かっていることなのですから、わたしたち教師はその荒波に対処でき、飛び込んでいける気力を授業を通して育てていかないといけないのです。

(2016.12.28)