黒澤俊二氏の講演と6年算数授業

 高槻市教育研究会・算数部の研究討議会の後に、立教大学教授の黒澤俊二氏の講演がありました。冗談を言うのが好きな方で、何度も脱線していました。学んだことを箇条書きしてみます。

1)アメリカ(USA)の次は?(USB)
2)筋道を立てて考える(青筋を立てるじゃない)。
3)S42~S51 べン図を使い、集合を教えていた。今はどんどん簡単になっている。
4)「説明することができる」の目標がいい。
5)コンピテンシー=有能感=力量=資質・能力をつけることが大切。
6)三井物産…筋道を立てて英語でプレゼンできるかが問われる。
7)自ら問う→学びに向う力が人間性。
8)ありえないことを理想化するのが数学。
9)「可能性はあるかないか」で「蓋然性が高い低い」=確率という。
10)教材のつながりを意識して、本質の発見につなげれう。
11)面積とは、積=かけ算の答え。
12)分かったとは、関連づけられたとき(佐伯説)
13)「分かりましたと言っておけば終わるんだもん」と子どもは思っている。
14)内包的説明(定義)と外延的説明(事例、具体例)ができて分かったといえる。
15)眠い方は手を挙げて。眠い方は根をあげるんだ。
16)算数学習の創造のための4つのポイント
 ①たのしさ 楽しさ(お金と時間があり余っている様子)
 愉しさ(よりよい方向に移っている様子)  どちらも白川静説
 授業の終わりに構造や仕組みに気付く。
 論理…明確な根拠を持って理由を言えること。
 ②考える、理由と共通点をセットで。
 ③伝え合う場の設定(何を、どのように)
 ④気付きを起こす。 

 PowerPointのコンテンツなどは一切、使わずに、たまにホワイトボードに板書するぐらいで、あとはトークのみで1時間半ほど話されました。
 話したいことがいっぱいあるので、すぐに脱線するのでしょう。あるところでは、6時間話したと言っていました。
 この日、6年生の研究授業もありました。「ならべ方と組み合わせ方」の単元です。最初、黒白のコイン(オセロ)を3枚同時に投げるゲームをします。白が出たら1点、黒は0点です。全員やった後、手を挙げさせると、0点や3点に比べて、1点や2点が多いです。「なぜ1点や2点が多いのか」を考える授業です。
 教師と子どもたちの関係が良好で、授業の組み立てもシンプルでうまいなと思いました。追試してみたい授業でした。

(2017.1.21)