優しさは自らの選択である

 アマゾンCEOのジェフ・ベゾスが2010.5.30、プリンストン大学の卒業式での祝辞です。

祖父は私を見つめ、しばし沈黙のあとに優しく穏やかにこう言いました。「ジェフ、いつかわかると思うけど、賢くなるより優しくなるほうが難しいんだよ」。私がお話ししたいのは、才能と選択の違いです。賢さは才能であり、優しさは自らの選択です。賢さは、生まれ持っているものなので、努力は要しません。その半面、選択は難しいのです。気をつけないと才能は人を傲慢にし、うぬぼれるとおそらく選択を誤ります。

 賢さは才能かもしれませんが、努力によって伸ばせるものだと、私は考えています。でも、「優しさは自らの選択」だというのは、なるほどと思いました。
 よく考えれば、優しさも才能かもしれません。
 相手のことを思いやれるということは、誰もができることではありません。
 ただ、人に席をゆずることや手助けをすることは、それをするかしないかを選択しているとはいえるでしょう。
 ジェフの祖父の「賢くなるより優しくなるほうが難しい」という言葉には、「おまえは優しい人間になってくれ」という祖父の思いが込められています。その込められたものこそ、優しさそのものともいえそうです。

(2017.2.1)