割合を使った問題

 来週から、割合を使った様々な問題を扱うことになります。

P.233(1) ペンキ屋さんが、へいのペンキをぬっています。へいの面積は24㎡です。
        今までに全体の25%をぬりました。何㎡ぬったのでしょうか。

 今までの問題と大きくちがうことがあります。
 それは、割合(百分率)が問題文の中に出てくることです。
 ということは、これは割合を求める問題ではないわけです。

1)25%は百分率です。割合に直すと何ですか。 ・0.25
2)割合が出てくるということは、もとにする量か比べられる量を求める問題です。
3)「全体の0.25」とあります。割合の「の」の前にあるものがもとにする量です。
4)もとにする量の「全体」は、何㎡ですか。 ・24㎡

 あとは、割合シェーマ図に、もとにする量と割合を入れると、比べられる量が分からないことが分かります。
 比べられる量を求める式は、もとにする量×割合となります。
 式 24㎡×0.25
 筆算を書かせ、答えを書かせて終了です。
 割合(百分率・歩合)があるかを確認し、割合の前にある元にする量が書かれているかを確認し、シェーマ図に書き込み、立式し計算すればいいのです。

(2017.2.11)

 比べられる量を求める問題の次は、もとにする量を求める問題が出されます。

 まさおさんの家では、畑の一部を花畑にしています。花畑の面積は60㎡で、畑全体の面積の20%にあたります。畑全体の面積は、何㎡でしょうか。

 まずは、割合か百分率か歩合を見つけます。20%と書いています。
 となれば、これは割合を求める問題ではないことが分かります。
 20%は百分率なので、割合に直します。割合は0.2です。
 割合の前に来るものが、もとにする量です。
「全体の面積の0.2」ですから、全体の面積がもとにする量です。
 問題は畑全体の面積が何㎡か、と聞いていますので、分かっている面積60㎡は、比べられる量ということになります。
 割合シェーマ図に当てはめれば、式は、60㎡÷0.2となるわけです。
 文章問題を注意深く読み、何が分かっていて、何を聞いているかが分かれば、自ずと答えを導くことができます。
 ただ、5年生の子どもたちに、このような論理的思考が身についているかといえば、心許ないとしかいえません。
 それゆえ、割合の文章問題は、子どもたちの論理的思考を鍛えるために、とても有効であるともいえるでしょう。

(2017.2.12)

 引き・増し問題も出てきます。

 ゆき子さんのお母さんは、定価1500円のシャツを20%引きで買いました。
 何円で買ったのでしょうか。

 ノートに、「20%引き」と書かせて、
「20%引きとは、何%のことですか。」と聞きました。
 20%引きは80%のことです。100%-20%で求められます。
「10%引きなら、何%ですか。」「5%引きなら?」とも聞きました。
 この後、80%を0.8に直させて、定価をもとにする量にして、求めさせました。

 400円で仕入れた商品に、25%の利益を加えて売りたいと思います。
 何円で売ればよいでしょうか。

「今回は25%引きではありません。どういったらいいでしょうか。」
「25%増し」と言う子がいたので、それを使い、25%増し=125%としました。
 125%を割合1.25に直して、売値を求めたのです。
 この問題は、もとにする量が400円です。でも、今までのように定価でもなく、「全体の何%」という表現でもありません。
「割合の25%の前に入れることができたら、もとにする量です。」
「400円の25%」で意味が通じれば、もとにする量とできるわけです。

(2017.2.13)

 日本文教出版の5年算数の教科書の問題です。

 コンビニエンスストアで400円の電池を買います。
 5%の消費税をたすと、何円になりますか。

 平成23年版の教科書だったので、消費税も5%です。
 昨日、増し問題として、5%増しなら105%で、それを割合に直して1.05として、もとにする量×割合の計算をさせました。
 今回、その方法でやると、400円×1.05となります。
 この1.05をかけるかけ算が難しいのです。
 それならば、400円×0.05で20円を出して、400円+20円=420円をやった方が計算まちがいは、少なそうです。
 問題をさせてみる中で、子どもたちにとって、どの方法がまちがえにくいかが見えてきます。
 今日から、割合の問題のいろんなタイプを追加問題として出しました。
 そうすると、どれがもとになる量かが分からず、シェーマ図の書きまちがえも多くなりました。
 もとにする量か比べられる量かの2つを見つけさせるのではなく、もとにする量が何かを見つけることができるようにしていく必要がありそうです。

(2017.2.14)