釣り銭の出ない券売機

 スイスのバス停留所の券売機は、買う券の代金より多くのお金を入れると、お釣りが出てこないそうです。
 日本の自動販売機でそんなことがあれば、多くの人が怒ることでしょう。

 釣り銭を出す設計にすると、券売機そのものも高額になる。また小銭の収集の他に、釣り銭を入れるなどの券売機のケアに手間がかかる。当然、人件費もかかり、全体的なコストがアップする。
 それなら各自が意識をして小銭を用意すればいいし、それを面倒だと思うなら、お釣りがなくても仕方がないと納得する。こうして共同体全体でコストを減らすことができるのだ。           
         多根幹雄『スイス人が教えてくれた「がらくた」ではなく「ヴィンテージ」になれる生き方』(2016.6主婦の友社)

 国営のバスや電車であれば、釣り銭を出す券売機のコストを国民全体で負担していることになります。それが民営のものであっても、そのコストはバスや電車の代金に反映されるだけなのです。
 上記の本には、30年経過した中古のマンションが新築よりも高価になることも書いてありました。時間が経過することで価値が上がるような使い方をスイス人はしているそうです。
 自分自身の価値も時間のとともに上がるようにしていきたい。

(2017.5.1)