西中 務『1万人の人生を見たベテラン弁護士が教える「運の良くなる生き方」』(2017.3東洋経済新報社)には、運が落ちる行いや運の良くなる行いが載っています。
人が法律を守れば争いはなくなると思っていたが、これは誤りだった。「法律を守れば何をやってもいい」という考え方そのものが、争いの原因だったからだ。
日本は法治国家です。法律を破れば、警察に捕まり、罰金や懲役などの罰を受けることになります。
罰は受けたくないので、法律を仕方なく守ることになるわけです。
人は生きている限り、道徳的な罪を犯しているとモラロジー(道徳を科学的に研究する学問)では考える。毎日の食事でも、肉や魚、野菜の生命を奪って、それをいただいている。また、太陽や自然の恩恵を受けて、生きている。
このように、生活の全てに、必ず誰かの「おかげ」がある。モラロジーでは、これを「道徳的な負債」と呼ぶ。道徳的な負債を放っておくと、運が落ちてしまう。しかし、道徳的な罪に気づき、感謝の心を持てば、運が落ちるのを防げる。
生きていることが罪であるという意識を持つかどうかでしょう。
生きるためだから仕方ないと思うこともできます。ただ、そうやって開き直り、罪の意識や感謝の心を忘れてしまっては、運を落としてしまうのです。
これも、陰徳に通じる考え方のようです。
(2017.5.15)