なぜ人はキレるのか?

『週刊朝日2017.6.9』に、「キレる上司・部下に負けない~突然向けられた怒り、あなたならどうする?」の記事がありました。

「すぐ感情的になる部下への応対は要注意です」と訴えるのは、人事・経営コンサルタントの増沢隆太氏だ。
「今の時代、怒られたことをSNSなどにすぐ書き込む社員もいる。注意した側に落ち度がなくても、悪く言われるリスクを考えてクールな対応が大切」と話す。
 万一、部下がキレた場合、上司は逆ギレせず、放っておくのが一番という。まずは時間と距離を置く。「次の予定があるから」などとその場をいったん離れるのもよい手だ。

 教師は、なかなかその場を離れることはできませんが、時間と距離を置くことはできそうです。「今は授業中ですから、あとにしましょう。」と。

 東京都内で「成城墨岡クリニック」(神経科・神経内科)を開業する墨岡孝院長は「人がキレるのは、自分の価値観を理解してほしいのに、それに対して反論が出たときです」と話す。

 自分自身を振り返っても、怒りがわくのは、自分の思いどおりにいかないときです。要するに、自分の価値観が通じないときです。
 最近は、自分の価値観を理解してもらえるなんて、思わないようにしています。
 さて、雑誌の記事の良さは、いろんな専門家に話を聞いているところです。
 日本アンガーマネジメント協会代表理事の安藤俊介氏のお話です。

「野球や料理と同じで、技術を身につければ、誰でも怒りをある程度コントロールできる。怒ること自体は自然な感情で、問題ない。怒るべきことと、怒らないでよいこととを適切に区別できないことが、問題なのです」(安藤氏)
 区別のカギは、「後悔」を基準に考えること。怒ることで後悔しそうならば、やめたほうがよい。また、怒ることで相手を変えられるならば、労力をかけるとよい。相手や現実が変わらなければ、怒っても無駄だ。

 私の場合、たいてい、怒ったあとで悔やむことが多いです。上記の基準で考えれば、怒るべきではなく、冷静に対処すべきだったわけです。

 著書『督促OL修行日記』などで知られる榎本まみさん。カードの支払いが滞る顧客に督促するコールセンターでの仕事の体験をつづった。キレた人への向き合い方や、自らの心が折れないようにする術を、職場で身につけた。
「電話口のお客さんも部下も、キレる人はみんな同じです。自分の言いたいことをわかってくれないから、キレるのです」と話す。
 大切なのは、キレている相手が「自分は理解されているんだ」と思えるように接することだという。

 多くの人は自分を理解してほしいのです。でも、それは他者への依存であるともいえます。自立している人こそが、キレないのかもしれません。

(2017.5.31)