フェルドマン式知的生産術より

 ロバート・アラン・フェルドマン『フェルドマン式知的生産術~国境、業界を越えて働く人に~』(2013.5プレジデント社)より。

 みなさんもよくご存知の「千円札」の人、野口英世は、科学に優れた才能があり、言語能力も高く、二〇歳までにフランス語とドイツ語を独学で覚え、その後に英語もマスターしました。
 けれどもお金の使い方は下手で、お酒に弱く、酔うと乱暴を働きました。自制心が足りなかったのです。それで大変な目に遭っています。野口は、苦労してその悪癖を克服しました。それによって世界的な医学者として道が拓けたのです。
 どんなに才能があっても、自制心に欠けている人は成功できない。「自制心のなさ」という一点で、他の才能の価値もゼロになってしまうのです。

「自制心」をテーマにした道徳で使えそうな話です。

 日本人に「専門家」とはどういう人ですか、と聞くと、たいていは「特定の分野についての情報(知識)をたくさん持っている人」という答えが返ってきます。これは欧米人の考える「専門家」像とはかなり違います。欧米では「情報と情報をつないで、そこに新たな意味を見いだせる人」が専門家として認められます。

 大切なのは新たな意味を創造できる人が専門家として認められるのです。情報を自分という媒体に通したときに、より価値の高いものに変えられることが、大切なのです。(今度の一点突破で使えそうな話です。)

 人に何かを伝えるには、最初に目的を決めることが大事です。何のために、誰に向けて、何を伝えようとしているのか。そこから逆算することで、プレゼンの方法が決まります。

 講座の流れを考えるときに、上記のことを念頭に置きたいです。

 相手と意見が対立する原因は、主に三つあります。
 ①情報の違い ②解釈の違い ③損得の違い

 対立する原因が分かれば、その違いを埋める手立てが打てます。

「人間には二つの種類がある。AとBだ」という場合、AとBの組み合わせはいく通りもあるのですが、私がとりわけ日本人にあてはまると思うAとBは「なぜできないかを考える人」と「どうやってできるかを考える人」です。

「どうやってできるかを考える人」には、その次の行動が求められます。それゆえに、「なぜできないかを考え」て、行動しない人が多いのでしょうね。
 1冊の本の中に、様々な授業に使えそうなことが多く載っていました。
「高学年の授業づくり」シリーズの2冊目が完成したので、次は、3冊目に向けて、今後の講座テーマとからめて考えていく必要があります。
「5つの心構えと33のステップ」から「5つの提案と27のチャレンジ」になったので、3冊目は「5つの真理と30のフューチャー」というような副題にしようか、考えているところです。

(2017.7.22)