副読本を使った道徳の授業プランをいくつか考えてみます。
次の条件を課すことにします。
副読本以外の資料やコンテンツを準備しない。
要するに、子どもたちが持っている副読本だけで授業できるようにしたいのです。資料やコンテンツの準備がいるとなると、それだけで追試のハードルが上がるからです。ただ、教師が読み上げればいいような資料はOKです。
『小学道徳 ゆたかな心 6年』(光文書院)に「夢に向かって─三浦雄一郎─」があります。副読本を開かせる前に、次の発問と指示をします。
「年をとって困ることは何ですか。できるだけたくさんノートに書きましょう。」 以前、「老化」の授業で使ったことのある発問です。
子どもたちからはたくさんの困ったことが出されるでしょう。その後に、
「70歳7ヶ月のおじいちゃんがすごいことを成し遂げました。何でしょう?」と言って、思い思いに言わせてから、ようやく副読本を開かせるのです。
人はいくつになっても、夢をもってそれに向かってあきらめずに一歩ずつ登り続ければ、世界の頂点に立つこともできるのだ。
二〇〇三年、七〇歳七か月、わたしは世界最高齢のエベレスト登頂を果たした。人間は年をとってもよいことがある。年をとらなければできないこともある。
「70歳7ヶ月の三浦雄一郎さんが成し遂げたことは何ですか。」
世界最高齢でエベレスト登頂を果たしたことです。
ここで、エベレストについて知ってることを子どもたちに言わせるといいでしょう。エベレストの高さ8848m(ちなみに富士山は3776m)や、別名チョモランマと呼ばれることや、登頂には酸素ボンベがいることなど出てくるでしょう。 この後、副読本を連れ読みもしくは一文交代読みで、「これじゃいかん!」から、「~おとろえ始めていました。」まで読ませます。
「三浦さんは七大大陸最高峰スキー滑降という人生の目標・夢をかなえてから、どうなったのですか。」
・トレーニングがめんどうくさくなった。
・きついことをさけ、楽なほうを選ぶようになった。
「みなさんの中にも、人生の中でどうしてもかなえたい目標や夢があるかもしれません。もし、その夢がかなったら、その後、どうしますか。」
・別のもっとすごい目標を立てる。 ・満足してゆっくりする。
「三浦さんがどうしたのか、続きを見ていきましょう。」
副読本の続きを読んでいき、
「三浦さんは、夢をかなえるために、どんなことをしましたか。」
「三浦さんの生き方から学んだことを書きましょう。」
それぞれの子の学びを発表して、授業を終えればいいでしょう。
(2017.7.30)