和田秀樹『日本人はなぜ嘘つきになったのか』(青春出版社2008.2)より。
相手が少しでも本当のことを言った、しかし、それがとても腹の立つことだったというとき、人間はこてんぱんに叩きのめしてやりたい心理が働く。だから雪印の事件であれ何であれ、ちょっとでも「やりました」と言ったら、マスコミが激しい砲火を浴びせる。(中略:荒井)
たとえば、一対一の人間関係で、ウソをつかれたときに腹を立ててボロクソに言ったら、絶交になるか、よけい相手がウソつきになるのかのどちらかだろう。子育てでも同じで、マスコミのようなやり方で子どもを叱ったら、子どもはよけいウソつきになってしまう。
うそをついている時に、「良い子だね」とほめていて、ウソをついていることを本人が白状した時に、その子を責めてしまうと、正直に打ち明けたことが認められないことになります。ウソをついたままの方がよかった、と子どもが思っても仕方ありません。
今後も正直に打ち明ける子にしようと思えば、ウソを打ち明けたことに一定の評価を与えていくべきなのです。 やった行為に対しては冷静にその間違いを指摘し、正直に打ち明けたことをほめる、もしくは「本当のこと言ってくれて、嬉しいよ」と言うぐらいでないといけません。
(2009.6.20)