アウシュヴィッツ収容所での過酷な日々を生き抜き、世界的名著『夜と霧』や『それでも人生にイエスと言う』を著した精神科医ヴィクトール・エミール・フランクルの思想を紹介したのが、諸富祥彦『知の教科書
フランクル』(2016.1講談社)です。
フランクルは、人生の本質は「私たち人間に問いを発してくる」ところにあると言う。
「生きていて何になるのだ」「人生なんて、無意味ではないか」などと、人間はしばしば「人生に対して」問いを投げかける。人生の意味や目的に対して、疑問を感じる。しかしこれらは、傲慢なる人間の「自己中心主義」である。本末転倒の倒錯したものである。
そうではなく、本来は、「人生が人間に問いを発してきている」。人間は「人生に問いを発する」のではなくて、この「人生からの問い」に「応えなくてはならない」。
要するに、「人生は私に今、何を求めてきているのか」と考えるわけです。
この考え方が、私には、とってもしっくりきます。
生きていて起こる様々な事が、人生から自分に対する問いかけで、その問いかけにどう応えていく、反応していくか、です。
日々、教育実践を書き続けるのも、問いかけへの応えでもあるのです。
(2017.11.16)