はしの上のおおかみ

『わたしたちの道徳 小学校一・二年』(文部科学省)の「はしの上のおおかみ」では、最初の3文だけ、まず読みます。

 山の中の谷川の上に、一本ばしがありました。長いけれど、せまいはしです。一人しかわたれません。(分かち書き省略:荒井)

 まずは、子どもたちに、こう問います。
「あなたは、その一本橋を渡ろうとしました。でも、向こう側に、誰かいます。
 あなたなら、どうしますか。」
・向こう側の人が渡り終わるまで待ってから、渡ります。
 ・先に渡らせてもらいます。
 ・ジャンケンして、勝った方から渡ることにします。
 この後に、おおかみがどうしたかを読んでいくのです。
 おおかみは、いばって、うさぎやきつねやたぬきを追い返して、自分が渡ってしまいます。
「こんなおおかみをみんなはどう思いますか。」
と問えば、おおかみを非難する意見がいっぱい出るでしょう。
 ある日、おおかみは橋の真ん中で、大きな熊に出会います。おおかみは、自分が戻ろうとしますが、くまはおおかみを抱きかかえて後ろへおろしてあげます。
「次の日から、おおかみはどうしたと思いますか。」
 ・くまみたいに、うさぎやきつねやたぬきを抱きかかえて後ろにおろした。
 ・前みたいに、追い返して、自分が先に渡った。
「おおかみは、橋を渡る2つの方法を知りました。1つが、来た人を追い返して、自分が先にわたる方法。もう1つが、来た人を抱きかかえて後ろに下ろしてあげる方法です。」
 この後のお話を読むと、おおかみが来た人を抱きかかえて後ろに下ろしてあげる方法を選んだことに気付けるだろう。

 くまのまねです。おおかみは、うさぎをだき上げて、どっこいしょと、後ろへそっと、おろしてやりました。
「えへん、へん。」
 いい気もちです。ふしぎなことに、前よりずっといい気もちです。
「これにかぎるぞ。」
 おおかみは、気もちが晴れ晴れとしました。

「おおかみが前よりいい気持ちになって晴れ晴れとしたのは、なぜですか。」
 ・いいことをしたから。 ・自分が誰かの役に立ったから。
 このお話の副題が「あたたかい心で親切に」です。
「あたたかい心で親切にすると、自分自身が気持ちよく晴れ晴れとするかもしれませんね。」

(2017.11.26)