日野原重明氏が『いのちのギフト~犬たちと私から送る勇気のエール~』(2013.9小学館)に、かわいい子犬が年をとるとどうなるかが書いています。
年をとれば、犬も人間と同じように病気になることが増えてきます。関節が痛くて歩けなくなったり、白内障になって目が見えにくくなったり、耳も遠くなります。毛づやが悪くなり、口臭や体臭も強くなります。そうなると、汚いとか病院にかかるお金がもったいないなどといって、犬の世話をしなくなる人がいます。もう面倒みきれないといって「動物愛護センター」や「動物保護センター」に持ち込んだり、山の中に捨ててしまったりする人もいるのです。
人間の場合は、自分で杖を使ったり、病院で治療してもらったり、香水をつけたりすることができます。それでも、高齢者の自殺が多く、自殺の一番の原因が健康問題なのは、自分が老いて衰えることに耐えきれないのでしょう。でも、
老犬には老犬しかない魅力がたくさんあるそうです。
まず、とても落ち着いています。若い犬のようにだれかれかまわずじゃれついたり、吠えたり、いたずらをすることが少ないのです。(中略:荒井)
年をとった犬は、子犬のときのような好奇心よりもマイペースを好み、一日中寝ていることが多くなります。それでもゆったりと寝ている犬がそこにいる、というだけで安心感を与えてくれます。
(2017.11.27)