渋沢栄一著、守屋淳訳『現代語版 論語と算盤』(2010.2筑摩書房)の中で、逆境には2つあると言っています。
1つが「人の作った逆境」。もう一つが「人にはどうしようもない逆境」です。
学級担任でいえば、自分の勉強不足、指導不足(+まちがった指導)のせいで学級崩壊になるのは「人の作った逆境」といえそうです。一方、学校全体で地域全体で学級崩壊が起こる所は、「人(教師)にはどうしようもない逆境」といえるのかもしれません。
では、「人にはどうしようもない逆境」に立たされた場合、その境遇にどう対処すべきなのか。「自己の本分(自分に与えられた社会の中での役割)」だと覚悟を決めるのが唯一の策である。
現状に満足することを知って、「どんなに頭を悩ませても結局、天命(神から与えられた運命)であるから仕方がない」と諦めがつくならば、どんな逆境にいても心は平静さを保つことができる。
本当に逆境に立っている人に、「現状に満足せよ」とは言いにくいです。
「あなたの逆境は、あなたの天命です」とも言えません。
結局は、逆境に立たされた本人がどうするか、どう考えるべきかを決めるしかないのでしょう。(振り返ると私の場合、人の作った逆境しか出会っていません。)
(2017.12.26)