アンパンマンの生みの親、やなせたかしさんは、現在93歳です。
『サンデー毎日2012.7.22』に載ってる対談の中で、「アンパンマンが、自分の頭をちぎって人にあげるというのは、どうして思いついたんですか。」という質問に、次のように答えていました。
それはですね、正義を行うときには、自分が傷つくことを覚悟しなければ行えないというのが、僕の中にあるわけ。たとえばね、線路に落ちた子どもを助けようとして、自分が電車に轢かれてしまった人がいるとする。正しいことをやろうとした結果、自分が死んでしまった。だけど、見逃すことができなかったんですね。正義というのは、そういうものなんですね。スーパーマンみたいな人かというと、そうじゃなくて、ごく普通の人なんだ。ですから決して格好良くもないし、そう褒められるということもない。本人も、傷つく恐れは十分にある。アンパンマンも自分の顔をちぎってしまうんだから、一種の自己犠牲ですよね。自分のエネルギーは落ちるんだけど、助けざるを得ないという気持ちね。
逆に、自分が傷つくことを恐れて、正しいことができない場合もあります。
それは、人間の弱さであるから、そうそう責められるものでもありません。
アンパンマンは、結構、深い話だったのです。
歌「手のひらを太陽に」を作詞したのも、やなせたかしさんです。
(2012.7.11)