ハンディキャップのある意味

『週間朝日2012.7.20』に、柔道家の山下泰裕さんの対談が載っています。
 山下さんは、自分の人生に大きな影響を与えた人物として、自閉症の次男をあげています。

 子供のころから体も大きく丈夫だった私は、幸いなことに、自分の努力がすべて成果につながった。その結果、私は、強者の立場からしかものが見られない人間になっていました。指導者時代、結果を出せない選手には「真剣にやったのか。お前の努力が足りないんじゃないか」と叱責ばかりしていました。
 ところが、その後、大学の監督を辞め、少し余裕ができて、次男と向き合い、痛感させられたんです。ハンディキャップを背負い、努力してもなかなか結果を出せない人がいる。という当たり前のことを。
 自分の意思をストレートに伝えられないもどかしさを抱えた息子。その息子を懸命に支える女房……2人を見ていて、私のものの見方は変わりました。ハンディキャップを持った人の目線で考えることが大切だとつくづく思いました。
 もしも、次男にハンディがなかったなら、私は、今の私がもっともイヤだと考えるような傲慢な人間になっていたと思います。だから、次男には本当に感謝しています。

 学級の子どもたちをそれを学んでいてくれるでしょうか。

(2012.7.16)