道徳授業展開②

「駿をおどろかせたコーチの一言は何かな。」
 指導案では、上記のように書きました。でも、実際に言うとなると、
「駿をおどろかせたコーチの一言が、予想つく人はいますか。」
となるでしょう。
 ここは挙手指名で、数人言わせて、次に行きます。

3)教材文②を音読し、駿のやる気がなくなった理由を考え、発表する。

 教材文②は以下の通りです。

「まず、リフティング百回ー。」
 リフティングぐらい知っている。ボールを落とさずに、足や頭でつきつづけることだ。駿だって、五~六回はれんぞくでつけるが、百回はとてもむりだ。でもまわりを見ると、チームのなかまは、少なくとも二十~三十回はついている。さっきランニングしたときは、駿より走るのがおそかった子も、もも(・・)や足のこう(・・)を使ってつきつづけている。早くも百回のリフティングを終えて、べつのわざの練習を始めたひろしに、駿は小さい声できいた。
「いつもみんな、百回やってるの?」
「うん、まあね。ぼくなんて一年生からやっているから、二百~三百回はつづけら れるよ。」
 ひろしの言葉を聞いて、駿はやる気がなくなってきた。すぐにスタープレーヤーになって、みんなから注目を集めるはずだったのに、ボールを止めるのもけるのも自分が下手な気がして、駿は、なんだかいやになってきた。

 すぐにスタープレーヤーになれるなんて、自分を高く評価しすぎです。自分を高く評価してもいいけれど、それに根拠が伴わないと、結局、駿のように現実を知って落ち込むことになるのです。
「駿のやる気がなくなったのは、なぜですか。」
 範読、一人読みなどの後に、上記の発問をします。
 これも挙手指名で、さらっと確認していきます。
「駿と同じようにやる気がなくなった経験はありませんか。」
これも言える子だけに発表させます。

4)やる気のなくなった駿をやる気にさせるような言葉かけを考え、発表する。

「やる気のなくなった駿をやる気にさせるような言葉を考えてみましょう。」
 ここが授業のメインになります。
 やる気のなくなった駿への言葉は、結局は、将来の自分(やる気のなくなった自分)への言葉かけにもなるのです。
 この言葉は、ノートに書かせます。2人ほど当てて、例示を出させた方が他の子は書きやすいかもしれません。
 言葉を3つ書けた子から、板書させていきます。
 板書が埋まってから、発表させていきます。(つづく)

(2013.6.16)