田臥勇太さんのインタビュー

 私はスポーツ観戦は、まったくといっていいほど、しません。
 ただ最近は、阪神の調子がいいので、新聞で結果だけは見るようになりました。(子どもの頃は、阪神ファンだったのです。)
 そんなスポーツ無関心の私ですから、日本のバスケで「小さな天才」とよばれている田臥(たぶせ)勇太さんのことも赤旗~日曜版~のインタビュー記事を見るまで知りませんでした。
 この田臥さんはNBA(全米プロバスケットボール協会)からもスカウトされているらしいです。18歳、身長173センチ。

「高校では三年連続の三冠。何を学びましたか。」
田臥 みんなでたたかうということ。それから、人間的な部分です。バスケットはもとより、それを離れたときに、どう生きるかとか。ふだんの生活や人間的な部分でしっかりしないと、それがプレーに表れてきますから。
「例えば?」
田臥 よく先生からは「おれがいくらいっても結局やるのは自分たちだよ」といわれました。
 練習してても、いつも先生が見ているわけではない。ウエートトレーニングしてて、本当はやってないのに「やりました」という。でも、そのうそは必ずどこかで表れてくる。自分に、はね返ってくる。だから自分に誠実に生きること。自分にうそをつかない。これが大事だと。自分の人生をつくっていくのは、自分自身ですから。                1999年5月16日号 しんぶん赤旗~日曜版~

 とても18歳の言葉とは思えないほどです。
「ふだんの生活や人間的な部分でしっかりしないと、それがプレーに表れて」というところの「プレー」を「授業」や「教育実践」に入れ替えても、通じそうです。
「うそは必ずどこかで表れてくる。自分に、はね返ってくる」というところは、人の見えない部分での努力や善行の大切さを語るときに、使えそうです。
 うそをついても、自分が知ってるし、神様も知ってる、という考えたに似ているところがあるようにも思います。
 インタビューの中で、もう一つ印象に残っている言葉があります。

 一番いいのは、自分のボールを取られないことと相手のボールを取ること。ただ、それを一生懸命、やっているだけで、体が自然に動いているだけなんです。瞬時、瞬時に。

「ただ、それを一生懸命、やっているだけ」という一途さが、素敵です。(1999.5.16)