『教育技術』の原稿を何とか昨晩、送りました。結構、悩んでできた原稿です。
学級づくりに役立つ情報機器 デジタルとアナログを融合した三択クイズの作り方
他者意識を高める三択クイズ
調べたことをクラス全員の前で発表させるときがあります。
うんうんと肯きながら聴く子もいれば、おもちゃのような消しゴムをいじって聞く子もいます。
聴き手が育ってないと考える前に、発表が聴き手を意識してない独りよがりの場合も多いです。
発表者に必要なのは、他者意識を持つことです。これが大切なのです。
他者意識を持たせるためには、調べたことの発表の仕方に工夫させます。
三択クイズにさせるのです。
次のうちに、コンビニで売ってる物は、次のどれでしょうか。
一 テレビ 二 キャベツ 三 金魚
三択クイズでは、聴き手が迷うな選択肢を考える必要が出てきます。そのことが、発表者の他者意識を高めてくれます。
さらに、聴き手を惹きつける選択肢の作り方も教えます。
交番のけいさつかんは、どんな仕事をするでしょうか。
一 きまった曜日に、パッカー車でゴミを集める。
二 町をパトロールする。
三 吉本に出て、みんなをわらわせる。
選択肢の中に、思わず笑いが起こるものをものを入れておくのです。
(最後の選択肢で笑いを取る方法は、山田洋一『子どもとつながる教師・子どもをつなげる教師』(黎明書房)で知りました。)
発表会で使える三択クイズ
パソコンのソフトに、パワーポイントがあります。
講座のプレゼンなので使われています。いわゆる電脳紙芝居です。
さきほどの三択クイズをパワーポイントに取り込み、プロジェクターで拡大提示します。学習発表会としても使えます。
パソコン室で、子どもにパワーポイントに三択クイズを打ち込ませる。これは、三年生には、難しいです。
そこで、子どもには、三択クイズを絵入りで、A4の紙にかかせていくのです。
A4の紙に、問題と答えをそれぞれ作らせます。絵には、色もぬらせます。
その問題と答えの紙を教師がスキャナで取り込み、パワーポイントに挿入していくのです。
子どもが三択クイズの問題を読み上げ、クラスの子に手を挙げて予想させた後に、クリックして、答えを提示するのです。
パソコンで文字を打ち込むよりも、子どもたちの手がきの字や絵の方が、その子らしさが出ていいのです。
情報機器とのつきあい方
パソコン・プロジェクター・書画カメラ・iPadなど、さまざまな情報機器が登場し、それを使う教師も増えました。
私が初めて、プロジェクターを自費で購入したのは、二〇〇一年の五月です。約四〇万円の物をローンで買いました。
一枚の写真を一人一人全員に配って授業するよりも、一枚の写真が大きくスクリーンに投影されてる方が、子どもたちは集中して写真を見ます。
わざわざ前に出て来て、写真の一部を指差しながら、自分の気付きを発表する子も出てきます。
一人の気付きが全員の気付きになっていく瞬間を情報機器が作り出したのです。
左上の図は、教科書の棒グラフを描く問題です。
これをiPadに取り込み、アプリのpdf-notesを使うと、指で図を拡大しながら棒グラフを子どもたちの前で書き込むことができます。
もちろん、指名した子どもに書き込みに来させることもできます。
多くの先生は、このページを拡大コピーして使われてます。
iPadなら、その拡大コピーの手間と費用を省略し、しかも気軽にこどもにかかせることもできるのです。
情報機器は、使い慣れるまでは、情報機器に振り回されて、子どもへの指導がおろそかになることがあります。
教師になりたての頃、放課後、チョークで正しい字を書く練習したように、情報機器も事前の練習が必要です。
一番いいのは、情報機器の使い方をよく知ってる先生に見てもらいながら、練習するといいです。
学力研では、全国各地でサークルを開いているので、そこに参加して、情報機器の使い方を練習するのもいいでしょう。
(2014.6.15)