時刻や時間のひき算ほど、ややこしいものはない。
時計でやると、答えはわかるのに、筆算で考えると難しい。
何しろ、分から時間のくり下がりだと、10じゃなくて、6くり下がることになるからだ。そこが、ややこしいし、わかりずらい。
しかし、それでも、子ども達を突き放して自力で解かせてみた。
×を10回近くもらう子も出てくる。
×が3回ぐらいつづいたら、少しヒントをあげる。それまでは、ただ×をつける。向山氏が言うように、ヒントも余計なお世話でしかない。
その「余計なお世話」を実感できるのは、子どもが自力で解いて○をもらった時である。○をもらった子はすごく喜ぶのである。×を多くもらった子ほど喜ぶ。
「ある日の昼の時間は、夜より1時間長いそうです。ある日の昼の時間は、何時間ですか?」という向山氏が作った超難問を出してみた。
次々×が出る。予想通り、13時や12時が多い。
5時や6時という見当違いの子もいる。ようは、問題が読めていない。
授業終了まぎわに、正解の12時30分が出た。
○をもらった子は、すごい喜びようである。周りの子も感嘆の声をあげる。
この喜びを考えると、ヒントなんて、余計なお世話ということだ。
(1998.7.9)