音の高低と息の強さ

 3年生になると、リコーダーを学校で注文をとって、買います。
 業者はたくさん買ってもらうお礼として、リコーダーの講師の先生を1時間派遣してくれるのです。
 そして、3年生全員に、リコーダーの初期指導をしてくれるのです。
 私はちゃっかり、テープに録音しておきました。
 リコーダー講師の先生のいいところを3点あげますと、

1.リコーダーについてはプロである。(うまい!)
2.教え方が上手。(同じところを何度も教えに回っているから。)
3.いろんなリコーダーを持参してくれる。

 模範として演奏してくれる曲が、全てうまい!
 教師だと、途中、ちょっととちったりするけれど、さすがプロです。
 さらに、リコーダーに関する専門知識を豊富に持っています。
 教え方は、商売ですから、うまい!もう何年も何年も学校を回ってる人だと、どこで子どもが騒ぐか心得ているので、先取りして注意されます。
 そして、モノ。大きいものから、小さいものまで、学校にない、いろんなリコーダーを見せて、しかも模範演奏してくれます。
 モノと腕があるのですから、子ども達の目を引きつけるのは、むしろ当然というところです。(モノを生かし切れるのが、うらやましい。)
 講習が終わったあと、その先生に個人的に質問をしました。
「ドの音をうまく出すには、どうしたらいいでしょうか?」
 あなたは、答えられますか。
「ドの音は難しいですから、3年生の内は、左手だけで吹ける曲をいくつもいくつもした方がいいですよ。」 
さらに、なぜ、ドの音が難しいか教えてくれました。
「リコーダーは、音が低くなればなるほど、やさしく吹かないといけないのです。でも、ドは全部の穴をふさがないといけないですから、どうしても指に力が入って、息も強く吹いてしまうのです。」

リコーダーは、音の高低によって、息の強さを変えないといけない。

 このことを初めて知りました。(大収穫です。)
 あとで、低い方のドをやさしく弱い息で吹いてみました。
 ほんとうに、うまく吹けます。
 ただ「最初の段階で子どもにそれを教えるのは無理がある」ということでした。

(1999.5.25)