映画「タイタニック」を見た。実にリアルなパニック映画でありながら、情感あふれるところもあって、見応えがあった。
家に帰って、CD-ROMの百科事典「エンカルタ」で、タイタニックを調べてみた。「タイタニック」という項目はなかったので、タイタニックという言葉が含まれる項目を検索してみた。
載っていたのは、「海運業」「カナダ文学」「救命ボート」「氷」「深海探査」「青函トンネル」の6つである。
「氷」の項目から、タイタニックに関連したところをコピー複写してみよう。
1912年にタイタニック号がカナダのニューファンドランド沖で氷山と衝突して沈没したあと、アメリカの沿岸警備隊をふくむ、北大西洋氷山パトロールが16カ国の協力のもとにつくられた。現在でも、国際氷山監視機構が氷山のあとをおい、その位置を船に知らせている。
タイタニックの沈没の原因は、流氷とぶつかったためだ。1513人の死者を出したといわれるタイタニックの事故によって、「国際氷山監視機構」というのが生まれたわけである。
「青函トンネル」の項目からも、コピーしてみよう。
この事故で乗客、乗員あわせて1051人が死亡。1隻の海難事故としては、12年(大正元)、アメリカのニューファンドランド島沖で沈没したイギリスの豪華客船「タイタニック号」の1513人につぐ惨事となった。この大事故をきっかけに青函トンネル着工への世論は高まっていった。
タイタニックにつぐ、この事故とはいったい何の事故だろうか。
それは、青函連絡船「洞爺丸」が台風によって沈没した事故のことである。
ここでも、「洞爺丸」の事故が、青函トンネル着工へとつながった。
何か事故が起きないと、改善案がでにくいというのも、わかるような気がする。「痛い目にあってこそ、気付く」ともいえる。
それを考えると、今の子育てや教育は、すこしというよりも大いに過保護かもしれない。親も教師も、子どもに失敗をさせないよう手をさしのべてしまう。
しかし、子どもはやがて、親や教師や大人のさしだす手がうっとおしくなり、それをはねのける。そして、ほんとに大きな失敗をしてしまう。
小さいころに、もっと小さな失敗を経験していたら、大きな失敗をしなかったかもしれないし、大きな失敗にあってもめげずに切り抜けてこれたかもしれない。 石ころにつまずく経験があるからこそ、大きな落とし穴に落ちなくてすむのだ。
(1998.7.24)