読み書き計算でゆとりを

 岸本先生は、読み書き計算の意義・効用の中で、「ゆとりの活用」というものをあげられています。
 例えば、たし算・ひき算・かけ算の基礎計算ができる子は、宿題の計算問題だって、スラスラと短い時間でできます。すると、あとに残った時間を自分の好きなように使うことができるというものです。
 音読だって、そうです。スラスラ読める子は、一回の音読時間が短くてすみます。逆に、たどたどしくしか読めない子は、1頁の音読だけでも10分も20分もかかってしまう場合があるのです。
 漢字だって、覚えてなかったり、うろ覚えだと、思い出したり調べたりして、書くのがとても遅くなります。
 よく授業5分前に漢字テストをしたりしますが、覚えていてスラスラ書ける子は、すぐに休み時間をとれ、しかもいい点数までとれてしまいます。
 全ての教科のテストで、早く出す子の方が、よくできていて、満点も多いものです。
 難しい応用問題が早くできればいいということではなく、基礎の基礎である読み書き計算を習熟することによって、一生にわたって、ゆとりをもってすごすことができるわけです。

(1999.7.26)