精神科医の和田秀樹氏が『算数軽視が学力を崩壊させる』という題で講演されました。
和田氏は、頭のよさの条件として、次の5つをあげています。
1.知識
2.知識を用いて推論する能力
3.メタ認知能力
4.学習を持続させる能力(感情のコントロール能力など)
5.対人関係能力
3のメタ認知能力というのに、興味をひかれました。
メタ認知能力について、和田氏は、次のように書かれています。
1.自己の能力の限界を予測する
2.自分にとって今何が問題か明確にできる
3.問題の適切な解決法を予測する
4.点検とモニタリング
5.活動結果と目標を照らし合わせ、実行中の方略の、続行、中止を判断する
Brown,1978
ブラウンという人が、きっと言っていたのでしょう。
こんなのを詳しく聞くと、「自分は、頭がよいなんて、決して言えない」と思ってしまいます。
子どもに対しても、「あの子は頭がいい」なんて、簡単には言えません。
「あの子は頭がいい」ように思えるけれど、「頭のよさの条件」の5つともが優れてるのだろうか。メタ認知でいえば、5つともできるのだろうか。
そこまで、厳密に見ないと、その子の伸ばすべき点を教師は見つけられないのではないでしょうか。
教師として、実践だけでなく、こういう理論も学んでいかなければいけないな、と、今日は強く思ったのです。
「なんで、算数なんてやらないといけないねん。」
「こんな勉強やったって、将来役に立てへんわ。」
という子どもに対して、
「算数すると、頭がよくなるんだよ」ということを具体例も交えながら、言えるようになりたい。
(2000.7.29)