『独露研修記』感想文

 原田誉一著『独露研修記~なにわ教師集団【独露団】の海外研修記録~上巻』(堀川出版)を読んだ感想を書きます。
 というのも、この本の「はじめに」次のように書かれてるからです。

 感想等を寄せていただいた方には、下巻をお届けします。

 定価300円(ドイツビール5本分)の値段です。でも、読み応え充分のこの本は、ドイルビール30本分ぐらいの価値があります。その下巻をわざわざ届けてくださるというのですから、感想を送らなければ損というものです。
「感想等」と書いてあるので、感想以外の何かを送っても下巻がいただけそうですが、とりあえず感想を書くことにします。

『独露研修記』には、役立つ知識がいっぱい
 ドイツどころか、飛行機にも乗ったことがない私には、今まで知らなかったことをいっぱい学べた本でした。
 例えば、飛行機のビジネスクラスでは「ひじ掛けには小型液晶テレビが内蔵されていて、これで好きな映画を見たり、ニュースを見たり、ただ今の飛行状況といったものを見たりできる」そうです。(乗ってみたい!)
 その他、ドイツの小学校の入学式では、お祝いにたくさんのお菓子をもらえることや、タクシーが全部ベンツであること、など、いろんなことをこの本は、教えてくれます。
 でも、それだけではありません。
 地球環境にこだわり続ける著者の原田さんは、「環境先進国ドイツ」のありさまを鋭く観察し、克明に紹介してくださるのです。

・瓶の多くは再利用(再使用)可能なリターナブル瓶であること。
・自動販売機がほとんどないこと。(あっても手動?)
・客待ちのタクシーはエンジンを切っていること(アイドリング禁止)。
・信号機の赤には「AUS(エンジンを切りなさい)」の文字があること。

などなど、環境の授業の中で使えそうな話が、いっぱい詰まっているのです。

読んでいて面白い!
 1ページ42字×15行で80ページの本を、私は買ったその日一気に読んでしまいました。それほど、読みやすくて、面白いということです。
 著者名を「椎名誠」にしたら、ベストセラーになるのではないか、と思えるほど、肩を張らずに気楽に読めます。
 そして、ところどころに「原田さんだなぁ」と思えるところがあり、とても面白く読めるのでした。

 腰をおろすと太陽の光がもろにふりそそぎ、有害な紫外線Bが皮膚を直撃する。色眼鏡とサンバイザーの他に、ポケットにあったハンカチを取り出した。それを頭にかぶり上からサンバイザーを取りつける。色眼鏡もつけ腕をくんで静かにしていると誰かに「アラビア人」と言われた。なるほど、口ひげもある私だからそう見えるのかもしれないなあ。

 原田さんの姿が、まざまざと目に浮かぶようです。
(そういえば、昨日会った時も、そういう格好をしていたなぁ。)

 最後に、こんな素晴らしい本を作ってくださった原田さんに、一言。
「ビヤー ビッテ」じゃないや「グーテン モルゲン」
 でも原田さん、このままじゃ『独研修記』ですよ。
 ぜひとも下巻を書き上げ、ほんとの『独露研修記』にしてください。
(そして、私の家まで届けにきてくださいね。)
 最寄りの駅は、西長堀です。徒歩、7分。ドイツ人の足なら3分です。
 では、それまで「いざや いざや」。

(2000.7.30)