アメとムチ路線

 和田秀樹氏の『頭をよくするちょっとした「習慣術」』(祥伝社)から、引用します。

 日本では、今日の新学習指導要領を見れば分かるように、総合学習やゆとり教育など、子どもの「意欲づけ」といったものが未だに重視されている。子どもの意欲や、創造性、好奇心を重視して、自発的に勉強させようという方法論だ。

 理想の教育論のようなものです。美辞麗句のスローガンのような教育方法論なわけです。では、意欲づけがうまくいかなかったら、勉強しなくていい、ということになるのでしょうか。それなら、義務教育とは言わないはずです。

 アメリカでは逆に「個性重視の教育」の失敗の反省に立って、今や「アメとムチ路線」が取られ始めている。基本的に勉強をしなければ罰を与え、勉強すれば奨学金といった報奨というアメが与えられる。

 アメリカで、すでに失敗している「個性重視の教育」が、今の日本では重視されてるわけです。

(2002.7.2)